R135を下っていると、いきなり視野が開けて熱海温泉が見えてきます。 湾から錦ヶ浦を見ると、山の中腹に天守が構えており、周囲と自然にバランスの取れた 違和感の無い景観と 独立天守は、ついフッと寄り道したくなる、そんな風情を 醸成しています。 実のところ、築城は昭和35年とごく最近の話であり、以前には当地に 城郭は存在していませんでした。城の説明には、 「小田原北条氏、歴代の名将が築城を熱望しながらも果せなかった地。この名勝、錦ヶ浦 は熱海を西南から囲む和田山の裾が東に伸びて海中に突き出た魚見崎の岬角で、一方 のみは山につづき、三方はけわしい断崖になっているという、城郭を築く所としては典型的 な勝地である。」 とあります。6階建て鉄筋コンクリート製で現代に その夢を実現したという経過になっており、また、最上部の 海抜は実に160mもあり、相模湾を一望できる大パノラマを楽しめては 観光客には人気のスポットのようです。 |
山の中腹までは、徒歩ならロープウェイが便利なようです。 行き着く先には「熱海秘宝館」があり、カップルで連れ立ってウフフ、キャッキャッ、とじゃれ合いながら 見学するのが粋な遊び方のようです。そのまま、歩いて直ぐの所に熱海城の正門があります。 車の場合はR135の坂道を登っていくと、二又の分かれ道がありますので海側の側道に 折れるといいでしょう。万一、そのY字路を逃したとしても、トンネルを出た辺りで進路を即海側に 取れば 漏れなく熱海城に 到達できるようになっています。駐車場は約100台ほど、料金は¥500でした。 |
各階にそれぞれ展示品や催し物がありますが、見所 は1階のジェット足湯と6階の展望台 でしょう。まずは、1階ベランダに出て足湯に浸かってみました。 心地よい水流のジェット噴射で、指先まで気持ちいいです。時期や時間にも由るかのしれませんが、 観光客も滅多に見ることも無く、30分くらい入っていても何も言われませんでした。 あまりの気持ち良さに、思わず ウトウトしてしまう始末。また立地的にも、この地点で既に海抜120mを超えており景観 も中々に 素晴らしいものです。 各種ボードにも、遠視で見える限りの島や半島の説明が親切になされて おり、足の疲れを癒しながら相模湾を眺め、島々やフェリーの航行を見ゆるは 贅沢な時間をゆっくりと過ごせるように設計されています。 |
6階まではエレベーターで行けるので楽です。最上階は簡易喫茶やご当地 プリクラもありました。 |
初島、真鶴半島は余裕で目視できました。一方、私は残念ながら よく見えなかったのですが、天気が良く霞みが掛からない 気象的に好条件が揃えば、大島や伊豆半島の先端までをも見ることが出来るといいます。 最上階は 海抜が高いので、熱海湾で夏季に行われる花火大会が非常に綺麗に見える穴場のようです。 |
各階にコスプレ撮影場、判じ絵、ゲームセンターや卓球場などの娯楽施設 が設けてあります。熱海城は前時代の再建という経緯ではないので、勿論に、城の資料など無く 、同時に郷土史などの 展示物にも乏しく、また、天守のみの建築であって櫓や庭園等も存在して無いので、 史的な価値は全く無く、 『城の形をした娯楽展望台』と完全に割り切って楽しんだほうがいいみたいです。 温泉地だけあり、マッサージチェアは大量にありました。 |
それでも、2Fの日本城郭資料館はなかなかの見ごたえがあります。 この階には、 全てマッチ棒で組み立てたという城の模型が展示されています。大阪城や名古屋城など 有名な城はほぼ全て網羅されており、作者、土田寅一郎氏による力作の数々 であり、1つを完成させるのに約3〜4万本分のマッチを費やした といいます。その他、1F区画にも刀剣や鎧などの資料も展示されています。 |
夜景も綺麗です。 |
「熱海」の命名は、海中から熱湯が噴出したことから由来するもので、 温泉保養地としての 歴史も古く、時代廻って近代には明治の文人達によっても度々登場する場所でもありました。 お宮の松が有名で、 駅前に記念碑と2代目の松が有ります。 |
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