生きてる事が功名か

   過去、富士山の大爆発によって溶岩洞窟が周辺に多数形成されました。 その数、大小合わせて現在100コ近く確認されています。生成のタイプとしても、風穴 や氷穴など、様々なものが存在しています。


駒門風穴



「駒門風穴」交差点 指示板 説明文 案内図


   場所は判り易いです。御殿場市の中央を貫くように走る幹線道路、 R246上に「駒門風穴」という交差点があります。ここを折れると突当りに右に行くように 小さな指示板が出ていますので、順にその方向に進みます。すると150mくらい先に 入場口が在ります。少し離れた所に駐車場も用意されています。


入り口 入り口 入り口


   Y字型の内部構成であり、ほぼ単純な行程で見学できます。 順路は往路、復路と決められた一方通行で、電灯設備もしっかりしており 迷うことも無く困難は皆無でしょうが、 地面には巨石がゴロゴロ散在しており、また天井より 浸み出た水が所々に地面に溜っているので、さしあたって靴だけは しっかりとしたモノが必要でしょう。


餅型状溶岩 餅型状溶岩 蝙蝠座敷跡 天井


   「風穴」とは、富士山の噴火により流失した溶岩が 外部側は外気で冷却され凝固する一方、 内部では固まらずに流動を続けることにより、この2層間に 空隙が形成されたもの、という生成過程の大産物です。


熔岩鍾乳石 熔岩鍾乳石 波状紋 波状紋


駒門風穴   Mt.Fuji cave



   従って、上を見ても下を見ても、見た事も無いような奇岩、巨岩 のオンパレードです。


    Y字の右を行くと本穴と呼ばれるエリアになり、突当りはやや広い 空間になり柵が衝立してあります。そこから先は入場禁止エリアになりますが、 コウモリや昆虫の希少種(コマカドツチカミムシ、コマカドチビゴミムシ等)が存在して おり、学術的にも貴重なものだといいます。


枝穴 肋骨状溶岩 溶岩鍾乳石


   Y字の左は、枝穴と呼ばれ分岐部の 天井が低くなっています。そのまま身を屈めた状態で進むと、 突当りは肋骨状溶岩と云われる部屋になります。人体の肋骨のように見える ことに由来するようで、細長いドーム状の空間と天井には段々の線が形成されてました。


    一回りの見学で、15〜20分くらいの所要時間です。洞窟を出ると、受付のおばちゃんが 人懐っこい笑顔で迎えてくれました。当施設は地元保存会によるボランティア運営な ので、ガチガチの営利目的も無くのんびりとした雰囲気でした。


『管理棟の裏に湧き水があるから、飲んでおゆき』


「あっ、どうも」


湧き水 湧き水


   12月に行ったのですが、実際、試飲して みると水道水のような冷たさは無くぬるく、また水質の違いからか 軟らかい口あたりのものでした。



トップ