生きてる事が功名か


R136 案内図 雲見くじら館


   西伊豆の中で、岩地、石部、雲見を総して三浦(さんぽ)海岸と呼びます。 海岸線に沿うR136からは美しい駿河湾を望め、また温泉地としても有名な場所です。 雲見はこのうち一番南寄りに位置し、主な産業は現在温泉等の観光ですが、 その昔はテングサ漁が有名な場所でした。


   『雲見くじら館』もR136沿いにあります。白色の2階建て母屋 ですが橋のたもとに所在しています ので、入場は道路から階段下に下る行程になり、南から眺める場合は橋上から見えますが、 北からの(沼津方面からR136で下る)場合は2階部が道路標高と重なる構造で 入口が判り辛いので、通り過ぎない様ご注意ください。


セミクジラ セミクジラ


雲見くじら館 骨格標本  a whalebone




身長(11.5m)
体重(22.1t)
性別(雄)
年齢(10才)


   昭和52年に湾に迷い込んだセミクジラで、自重に耐え切れず 胸部圧迫により死亡した個体です。雲見で解体し地中埋没しましたが、セミクジラ はその個体数が数千頭と希少性があり、また昭和5年以来、捕獲禁止となっている科である 為に、水産庁の方から掘り返しを指導され、今日 の展示に至るものであります。 事実、セミクジラの骨格標本は非常に価値があり、現存する ものは本館以外だと国立科学博物館や 東京海洋大学 などを含め全国でも数例のみとなっています。




内部リンク(東京海洋大学鯨ギャラリーへ   コククジラ、セミクジラ骨格標本)
大学博物館




<セミクジラ>
    遊泳速度は時速12km程度、潜水も15分くらいしかもたないので 人間による格好の捕獲対象であった。この為、乱獲により個体数が激減、現在は捕獲禁止 となっているが際立った数の増加は確認されていない。 主にオキアミやプラントンを主食とするが、索餌回遊しながら烏賊やタコなども捕食する。(wikipediaより)


背骨 あばら ひれ 湾に迷い込んだ鯨


   セミクジラは 油、鯨肉、髭など利用対象は多く、髭は浄瑠璃 人形の糸などにも使われました。日本でも古来より馴染みの深い鯨で、ここ雲見でも、 高橋丹波守が北条氏に鯨肉を献上したという記録も残っています。天正17年のことです。


解体作業 解体作業 解体作業 浄瑠璃人形 錦絵 錦絵


   ガラス張りの展示台の中には、大きな目玉や生殖器 の標本があります。


目玉、及び動脈 生殖器


    その他、雲見の産業を支えてきたテングサ漁の資料なども見る ことができます。今でも細々と採っている所もありますが、潜水する専門の 海女さんが少なくなった為に観光客用という位置付けの用途でない限りは、潜って採る 機会も無く水揚げ高は極少量とのことです。 現在の雲見は温泉や海水浴等の観光のほか、スキューバーダイビングスポット としても有名な場所になってます。


テングサ漁 テングサ漁 潜水服 雲見湾


   R136にかかる橋は大田川を渡るもので、そのまま川を遡上すると 千貫門への入口へと繋がります。細い路地の片隅に 小さな標識があるので、そこから階段を登って海岸線に 出る行程になります。


大田川 入口標識 階段


    場所と時期などの条件が合えば、巨石の中央穴に 西日の射した沈む日輪像が重なり、劇的な光景を見ることもできる ようです。また、海岸線を沿うようにクルーズ船の出航もあり、海上からの 観光も用意されています。


千貫門 千貫門


雲見 千貫門




   雲見霊廟はR136沿いにあります。その昔は石切り場であった場所で 、江戸城の石垣などにも使われました。観光協会の方に概要をお聞きしましたところ、 現在は納骨堂になっているとのことです。 大田川に架かる橋を建設する際、墓地を移転させた先のもので、 地元の方のほか石仏群や旧日本海軍の軍人 のお墓などもあります。


雲見霊廟 雲見霊廟 雲見霊廟 雲見霊廟


雲見霊廟





トップ