伝説の島、と名高い仁右衛門島(にえもんじま)の云われは古く、 源頼朝が石橋山の戦いで敗れ安房に逃れた際に身を隠した洞窟や、日蓮聖人が参ったと 伝えられる神楽岩などが有名で、現在は、個人所有の島でありますが観光の為に 一般人にも開放しています。 電車での最寄駅は JR内房線太海駅で、駅から南に下れば徒歩でもすぐ到着できる距離です。 車で行く場合、R128の海岸線に沿って いくと看板が見えるので、そこを折れてください。付近施設の太海フラワーセンターも 中々楽しそうで、レジャーとして2つ纏めて丸1日遊べるような環境になっていました。 |
本土とは橋でリンクして無いので、島に渡るにはボートに乗って行きます。 船着場に到着したのですが受付には誰も居ないので、独りまご付いていると 船頭さんがヒョッコりと現れて、 『島に渡りますかねぇ?チョッと待ってくだせぇ』 と、渡し船を選別し始めました。 『平日は暇だから島への本数も減らしているですわ。 乗船料と島内見学料は1チケットですんで、 まとめて島入り口で払ってくだせぇ。 観光が終わったら船着場で呼んでくだされば直ぐ参りますよ』 ボートにはモーターボートと手漕ぎによるオールタイプの2種類があるようですが、 根本的に島への距離は約200mと短いので、どちらの場合でも2〜3分くらいの時間で到着します。 手漕ぎによる方が風情があって良い感じでしたよ。 |
周囲4kmと小振りな島ですので、磯遊びや釣りなどのレジャーをせず、 古刹見学や観光程度ですと1時間もあれば十分に見て廻れます。ほぼ一方通行ですので迷う事も まずありません。 |
島中央階段から始まり、左方向に進むとそれぞれ、岡本眸句碑、 芭蕉塚、源講修歌碑、鈴木真砂女句碑、などがあります。 そのまま、中央階段を登る切ると島主の住居になります。伝承では、平野仁右衛門 が石橋山の戦いで敗れた源頼朝を、逃れ着いたこの安房の国の当島に 匿った事からその名がつき、その後、代々平野家が島を守り抜いているということで、 現在で数えて38代目にあたるという事だそうです。 |
奥庭に進むと、水を張った小さな池と推定樹齢600年の蘇鉄が堂々とした 体躯で迎えてくれます。 「600年ぶりだねぇ」 建物自体は宝永元年(1704年)の改築されたものだそうです。 素材も南天の床縁、桑の天井、など年季の入ったものばかりです。 |
住居を裏口から退場し、今度は大廻りに右方向に進むと神楽岩があります。 日蓮聖人が旭を拝んだ岩だとされています。 |
そのまま道成りに進むと、源頼朝かくれあながあります。 |
仁右衛門島 の島内はもとより、房総の海岸線ラインに及んでもそこは珍岩奇岩の宝庫ですので、ただ 海を眺めているだけでも楽しいものです。 島の所在は鴨川市なので、海岸沿いR128を北上すること5kmで 鴨川シーワールドに行き着きます。また、内地に目を向ければ牧場やダム、または地場 産業の採掘場があり、 切り出された段々状の山肌はどこか別世界のような風景であって 、まだまだ隠された房総の楽しさを再発見できそう な土地であると認めることができました。 |
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