女王とにかく敷地が広く、 昆明湖だけで紫禁城の3倍の大きさを誇る。予め地図を参照にして、 計画的にルートを 筋立てて観て廻ったほうがいい。昆明湖の沿線を徒歩で履行すると、丸1日は費やすだろう。世界遺産に登録されている、 この景勝地は、最も中国らしい情緒に溢れた景色をみせてくれる。 切り出されたスクリーンショットの1枚1枚が、心の奥底の琴線にふれる 感慨で同調する。 さすが女帝、西太后の愛した大庭園だ。時間が許すなら何時までも眺めていたい 。そんな局面の連続なのだ。 |
湖を半周したら大型船で 対岸に渡ったほうが便利だ。園内には、レストラン、簡易食の屋台、 トイレやゴミ箱などもしっかり整備され、 そして勿論、昆明湖は小舟の個人乗船も可能であり 、総合的な観光地として整備されていた。 日本でいうディズニーランドに行くような感覚でないでしょうか。 みんな、とても楽しそうな表情だった。 |
北宮門駅の駅方面から入園するなら、まず階段を上って 四大部洲に行き着くことになるだろう。 この場所は、 東西南北の指す四大、つまり東勝神洲、西牛賀洲、南瞻部洲、北倶盧洲をいい、 計算せれた楼閣の配置になっている。 万寿山全体はチベット仏教寺院の反映であるので主殿のリリーフが特徴的だ。 |
絶対包囲末期の清朝は列強による蹂躙の歴史でもある。1840年の アヘン戦争でイギリスに大敗。香港割譲と上海など5港の開港の要求を 突き付けられた。1856年には第二次アヘン戦争が勃発し、 11港を開港する北京条約を締結することに なり、牙城を突破させた清国は国内部に更なる侵食を許していくことになる。1894年に日清戦争で日本に 敗北、また中国国内でも反西洋思想の義和団の乱が 起こると、鎮圧の名目で列強八ヶ国連合軍が北京を占拠、頤和園や圓明園 を破壊し尽くした。 圓明園の史跡は現在まで放置され、荒廃した瓦礫が多いが、頤和園は亡国の 断末魔に喘ぐ清朝にあっても、暫時、そして現在に至るまで修復が逐一行われ、 それは国の財政を締め付ける程だったと言われている。 楽寿堂:1750年に造られたが、1860年の英仏連合で焼き討ちにあい1886 年に再建された。以後は西太后の住まいとして使用されるようになった。 敗家石:北京の房山でこの巨石を見つけたが、勺園に運ぶ途中で断念せざるを 得なかった。その後、乾隆帝が莫大な資金を使いここに運ばせたそうで、 庭園石としては中国国内で最大となる。 |
宜芸館正殿:1889年の創建で、光緒帝の皇后エナホラの寝所。 |
仁寿殿:1750年創建で1860年に英仏連合で焼き討ちで、1866年に再建。 光緒帝や西太后が、国外の使者と謁見したり慶賀の挨拶を受けたりと、政務を執り行う場所だった。 麒麟:龍の頭、獅子の尾、牛の蹄、鹿の角、と寿の象徴。本品は乾隆年鑑の鋳造。 |
昆明湖のほとりに立派な正方の楼閣がある。文昌閣だ。1750年の創建 で1860年に英仏連合で焼き討ちに遭い、その後に再建された。 |
徳和園は1891年の創建。高径21mの楼閣は「大戯楼」 とよばれ1階が京劇のための、2階が背景を変える仕掛けをつくる滑車が設置されている。 4人の舞妓が踊りを披露してくれており、管弦楽器の演奏も交代披露 されていた。 |
付近は様々な資料博物館になっていた。 |
昆明湖に浮かぶ南湖島に行くには、有名な 「十七孔橋」を渡ることになる。白い石橋と17個のアーチは、うっとりする程に 綺麗で西太后が情熱を傾けた庭園の様式美が凝縮されているような場所だ。 そして北を眺望すれば、 万寿山の頂きに「仏香閣」があり、橙色の瓦屋根が周囲と違和感無く溶け込んでおり、 風光明媚という言葉が相応しい景観だった。 |
島内は カードゲームに興じていたり、凧揚げをしていたり、 踊りを披露したりと、たいした賑わいだった。連絡船もこの箇所が一番需要が あるようで船着場には大勢の列が形成されていた。 |
西堤にはポッカリと開いた 造型アーチの石橋「玉帯橋」がみえる。 皇帝の乗った巨大船を通す為に、大きな口を開けた形になったという。 |
星船排雲殿は1860年に英仏連合で焼き討ちに遭い、 その後の1886年にに再建された。以後は西太后の誕生日を祝う場所として 使われるようになった。内部には、誕生日祝いの献上物が様々に展示されている。 |
そのまま、長い回廊を上がると「仏香閣」に到着する。中心楼閣 の高径は36m、石の台座が20mもあり頂上の眺めは格別だ。仏香閣は4重屋根の 3階構造、八角形の木造建築である。 |
内部は千手観音が安置してある。高径5m、重さは5000kgの 銅像だ。 |
湖面に浮かぶ小舟は夜空の綺羅星ようだった。 |
ほぼ頂上に位置する仏香閣を北に向かえば万寿山を下山することに なる。北門入り口には蘇州街があり、内部の池を囲むように一方通行の側道 が整備されている。各種の土産屋もあるし、飲茶やお御籤引き、など様々な 愉しみ方ができる。 |
明日は帰国か、本当に楽しかった5日間だった。 空港引率のガイドは、朝の5時半にロビーに出迎えだという。今夜は あんまり派手に外には出歩かないほうがいいな、と思慮しホテル近辺の 飯店で夕食をとる事にした。そうだ、本場の麻婆豆腐に挑戦してみよう! |