ワット・スラケート「思ったより眺めいいね」 正直な気分だった。小丘に築かれた寺院。頂上に突き出た金色の 尖塔は周囲の台座が展望台になっており、螺旋の階段を伝って登頂することができる。 行き着く先は 高径78mの見晴らし台になっていて、エレベーター等の設備はないが、一汗二汗かきながら 誰でも登る事が出来る高さだ。 付近にタワー等がないところを見ると、この辺りでは一番高い建物のようで、国内外の観光客に とっては「展望台」という用途の方が大きいのかもしれない。皆、思い思いに眼下に広がる バンコクの町並みを激写していた。 |
界隈は、タイを代表するワット(寺)の集合地区だ。 上記 右写真の中央の赤丸は チャオプラヤー川の対岸に聳え立つ『ワット・アルン』だ。寺院の 尖塔が霞んで見えるほど見晴らしが良い。 その他、周囲の様々な寺院を確認することができるのに、十分な高さと展望が望める。 |
丘はゴールデンマウンテン、黄金の山(現地語でプカオ・トーン)と 呼ばれている。螺旋階段は2周ほどグルリと廻る。途中で鐘があり、皆んなカンカン鳴らしていた。 行為により徳を積めるのかな。その他にも登り詰めるまでの道中、様々な置物やイベントが用意されていた。 面白い物、縁起が良い物、なら何でも飾っとこか、なんてゴッタ煮感が溢れている。 テーマパーク的な意味合いの大きい施設なのかもしれない。 |
その昔は、運河が丘の麓の直ぐ脇まで巡っていた。そんな昔の 貴重な写真を閲覧する事もできる。水辺に浮かぶ外観の神々しさは、さながら モンサンミッシェルのようだ。白い漆喰は、実の所、最近(1950年)の施工であり 、その前はかなり荒れ果てた草木ボーボーの丘であったようだ。 |
中央尖塔に黄金のタイルを貼り付けたのも1950年の同時期。 |
中央尖塔の下は屋根付きの祠堂になっていて、仏像が安置されている。 現地民が金箔を張っている光景を目にした。皆、跪いて深々と拝礼している。仏教に対する 姿勢として、日本人が 思っているよりも、かなり信心深いな、という印象を受ける。 |
本堂自体は丘の麓に在る。 |
サオ・チン・チャースラケート退場後、ワット・プラケオ(エメラルド寺院)に向かって 東方向に歩いた。途中、仏具屋(商品は 業者用の大型仏像が多い)の並ぶ通りを抜け、更に進むとサオ・チン・チャーの大ブランコがある。 |
ブランコの高さは21m |
ワット・プラケオ寺院の手前までやって来た。周囲の大道路とは 塀で仕切られ、内部は方形状の敷地になっている。それぞれ4面に入口が2〜3コづつあり、 大きく開かれた門からは、人々が何の問題も無く素通りしていた。 しかし実際は、外国人用の専用通路というものが存在しており、これは南北の2箇所のみしかない 。知らずに意気揚々とタイ人用の通路を ズカズカ我がもの顔で入場しようとしたら、『おい、小僧。ここはお前の来る場所じゃない!』 けんもほろろに職員に突っぱねられる。そんな事実を知らずに、 門前で“入る入れない”の押し問答を 展開してしまう。 疲労と当惑がピークに達した頃、 英語が通じる職員が登場して、『フォリナー用のゲートに行け』と忠告される。 「アイアイサー」 |
外国人専用通路は、軍兵が自動小銃を物々しく構えたゲートが目印。 上記写真の左が現地民用、右が外国人用ということになる。 内部は王宮と隣り合っている総合的な構成になっている。寺院見学には、 そのほか付属の博物館などを一緒に見学できる チケット、これを 購入するしかないようだ。とりあえず、外国人専用のチケット売り場まで行ってみる。 「はうあっ!」 |
この寺院だけ入場料が破格の500B(他の寺院は大抵50〜100B程度)である。 チョッと腰が引く。 |
ワット・プラケオ寺院の外観は、 とにかくド派手な印象を受ける。其々、趣の違う3本の仏塔が一列に並んでいる。 黄金一色の塔はともかく、残りの2本にも極彩かつ細かな装飾が成されている。 棍棒を持った鬼はヤックと呼ばれ、魔除けの象徴だ。翼をもった太めの鳥は、怪鳥ガルーダ。 |
タイの隣国、カンボジアの 有名な『アンコールワット』の模型もある。 |
寺院の別名は『エメラルド寺院』。名前の由来は、本尊が鮮やかな濃緑色に輝く ヒスイで作られているからだ。このエメラルド色に輝く仏像が安置される本堂は、完全に撮影禁止になっている。 ただ、本堂から正面に大きく口の開いた入口が3つあり、中央の入口から 望遠レンズでエメラルド仏の撮影を試みる者も居た。 |
寺院の回廊にはラーマキエンと呼ばれる絵巻が描かれている。 |
グルグル廻って見学していたら、すっかり汗だくになった。 たまらず施設内でアイスクリームを買うことにした。店員から渡されたハーゲンダッツと レシートを何気なく見て、 「はうあっ!280B・・・Too expensive !」 チョッと腰が砕けた。 どんだけボってるんだ・・・日本より高いぞ。タイの安い物価に慣れると自身が異常にケチ臭く なっていくのが分かる。 |
寺院の脇は王宮になっている。敷地内は一通に進むようになっていて、 迷う事もなくグルリと1周まわって見学終了、という感じ。 寺院退場後、そのまま南に進路をとった。本院から歩いて10分程度、 隣りあったロケーションに 在るのが『ワット・ポー』になる。あの、寝釈迦で有名な寺院だ。 |